採用だけでは、人材問題は解消しない
採用業界に身を置き、多くの企業の採用を支援してきましたが、「採用がうまくいけば会社の人材問題は解決する」というのは幻想です。種をいくら厳選しても、土が痩せていては綺麗な実は育ちません。組織づくりも同じで、採用した人材を「育てる」仕組みがなければ、どれだけ良い人を採っても定着しないのです。
土台:組織の「土壌」をつくる4つの要素
植物が育つには、まず土壌が必要です。組織における土壌にあたるのが、次の4つです。
この土台が整っていないまま採用を強化しても、根を張る場所がない状態で種をまくようなものです。
種まき:採用とオンボーディング
新入社員は「種」、中途社員は「苗」にあたります。そして植え付けにあたるのが、オンボーディング(入社後の受け入れプロセス)です。多くの企業が、採用後のオンボーディングを放置しがちですが、ここで「根を張らせる」ことができるかどうかが、その後の定着を大きく左右します。
成長:水・肥料・日光
根付いた後の成長には、次の要素が必要です。
- 水(日々のフィードバック・OJT): 業務に必要な基礎知識と、日々の声かけ
- 肥料(専門研修・選抜研修): リーダーシップ研修や専門スキル研修
- 日光(外部刺激・機会): 外部セミナー、新規プロジェクト、多様な人材との接触、異動
種や苗を用意して根を張らせる前に、とにかく肥料を与えても、綺麗な実は育ちません。段階を踏むことが重要です。
メンテナンス:支柱・剪定・雑草取り
育成後も、継続的な手入れが欠かせません。
- 支柱(理念の浸透・バリュー): 企業理念とバリューを繰り返し伝える
- 剪定(適材適所・代謝): 適切な配置と、人員の流動性を保つ
- 雑草取り(業務の断捨離): 形骸化した会議や業務プロセスを見直す
- 害虫駆除(課題解決): コンプライアンス違反やハラスメントの是正
種や苗を用意して根を張らせる前に、とにかく肥料を与えたりしても、なかなか綺麗な実は育ちません。地盤を固め、種を選び、段階的に世話をする。遠回りに見えて、これが一番の近道です。
まとめ
「採用がうまくいかない」と感じたら、採用のやり方だけでなく、迎え入れる土壌が整っているかを見直してみてください。良い種を選ぶことと、その種が育つ環境を整えることは、どちらも欠かせません。
